FC2ブログ

冷凍されたオシドリとチューリップ人の王国

趣味で書いている小説用のブログです。

07<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031 >>09

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アイとセカイをめぐる冒険〈6〉

第二話 覚醒プログラム(2/4)



 2. 呼ばれざる客

 ツジムラは渓谷の集落にケネスをほっぽりだして、さっさと帰っていった。ヤシロの家までの道しるべは、点々と立つナトリウム灯と、朽ちた高射砲、及びその台座。
 ヤシロは車での来訪を歓迎しない口振りだった。「車を停める場所がない」とのことだった。
 着いてみると、停める場所はいくらでもあった。
 家の前には放置された掩蔽壕があり、砲台が、僅かに入り込む光を浴びて、土くれと草の根に包まれ眠っている。うっかり落ちたら大怪我をしそうだ。
 ほんの八十年前まで、戦争の口実として宗教が有用であった。チグリスをガイアに与えられた約束の地だと主張し、先住民であり蛮族であるロゴス教徒を排除しようとするガイア教徒。チグリスの先住民として、侵略者であるガイア教徒に反発するロゴス教徒。暴力と破壊、倦怠、かりそめの平和、そののち遺伝子解析技術の復元によって、ガイア教もロゴス教も、教義の根底を否定された。
 こうして、チグリスの主要な二つの宗教は急速に求心力を失った。三十年ほど前、ケネスが生まれる少し前のことだ。
 広い平屋建ての家の裏手から、破壊音が響いていた。人の声はないが、ひたすら鉄材と木材を砕き、崩し、擲つような物音が断続的に聞こえる。この時点で半ばうんざりしながら、ケネスは戸口のノッカーを無視して家の横手に回り込み、音の切れ目を狙って裏に声をかけた。
「ヤシロさん!」靴音がした。「おはようございます。アリサワです」
 少しして、コウキ・ヤシロその人が無表情で現れた。目の下にうっすら隈ができており、眠そうだ。手には紋様銃が握られている。
「待った? ごめん。試験中でね」
「お仕事中でしたか――」
「仕事じゃないよ。これは趣味」
 と、手首にかかるポンチョをたくし上げて拳銃をよく見せた。
 紋様銃だ。地下エントランスで目にしたものよりも大型で、ルーレットが四つ。
 聞いてもないのにしゃべり出す。
「こないだも見たよね。このルーレットは紋様を指定するものと色彩を指定するものとが一対になってるんだ。これは二連式のロ號参式だ。ルーレットの形状には八面式と十六面式がいまのところあって、これはその両方に対応する」
 ポンチョで手許を隠した。何らかの操作をし、ルーレットを外した。てのひらに載せてケネスの顔に近付ける。
「人を相手に戦うことを想定して作ったんだ」
 頭が山羊で体が人間の生き物。弓を引く半裸の女。人魚。そういったものがルーレットに刻み込まれている。
「古い物語から生まれた紋様だ。想起されるイメージパターンが限定される代わりに、単一紋様、たとえば『葉』とか『酒』なんかよりずっと大きなエネルギーを持つ。敵が文化圏を共有する人間であればなおのこと高い威力を期待できる」
「敵って」
 安全装置がかかっているのを確かめて、ヤシロは銃を構えてみた。スコープに見える部分がスキャナーになっており、この部分で眼前の紋様を読みとるのだ。
「フィクションに関する紋様を集めたルーレットだから、フィクションシリーズって呼ぼうかな」
 銃をおろした。
「では、先日見せていただいたルーレットは?」
「とりあえずそこらへんにあったものシリーズ」
「はい?」
「とりあえずそこらへんにあったものシリーズ」
「はあ」
「とにかく大変な日に来たね。道が混んでただろう。中に入っているといい。いつも僕が研究所に呼び出される側だから、もてなしには慣れていないけど。構わないよね」
 まだ突っ立っているケネスの前で、ヤシロは自分の家を振り仰いだ。
「いい家だよ。土地付きで、退職金にしては高すぎる」
「ヤシロさんがまだ邂国におられるとは思っておりませんでした。祀国に帰られたものかと」
「そういうことになってるの?」
「いえ。噂です」
「僕がここにいることについては口止めされているね。君自身、例の件にかかわり合うまでは知らなかったはずだ。同僚にはなんて言って出向してきたの?」
「才国での出土品調査に、と。ヤシロさんはあれから変わったことは起きていませんか?」
「あれって?」
「五日前に研究所でお会いして以来です」
 ヤシロは何故か黙った。ケネスを見ようとせず、そっぽを向いてポンチョの下のホルスターに銃を収める。
「……なにもないよ。そうそう。この家で過ごす間、守ってほしいことがいくつかあるんだ」
「はい。なんでしょう」
「って言っても、僕の嫌がることをしないでっていうだけだけどね。音と臭いに気をつけてほしいんだ。香水とかの臭いのきつい化学物質をつけたり、甘ったるい臭いの食べ物を持ち込んだりしないこと。大きな声を出さないこと。それだけ」
 わかりました、の返事を聞き届け、ヤシロはケネスを先に家に入らせた。
 家の周囲を見て回る。
 車はない。岩陰に隠されてもいない。ヤシロは一人で頷いた。
 車での移動に慣れた人間は、単に車がないというだけで途端に出不精になる。行動力が格段に落ちるのだ。ケネス・アリサワもそう勝手な振る舞いはするまい。
 と、さっそく約束が破られた。ケネスのひっくり返った絶叫が、ヤシロの耳を強く叩いた。

「ヤシロさん、ヤシロさん!」ケネスはなおも約束を破り続けた。「なんですかこれは! どういうことですか!」
「どうして君は僕がやめてって言ったことをするの……」
「明らかにそれどころじゃないでしょう!」
 ヤシロは目を細め、叱られた猫のようにそっぽを向いた。
 二人は家の奥の倉庫にいた。渓流釣りの道具や自転車をしまっておく空間で、帆布の覆いがかけられた天窓が光源だった。戸は木の格子戸。後付けの鍵と、最近彫り込まれた鍵の紋様がしっかりと戸を守っている。
 その格子戸の向こうでは女が監禁されていた。
 ふてくされた様子で倉庫のど真ん中のスツールに座り、足を組み、ふてぶてしく廊下の二人を睨んでいる。
 ケネスは深呼吸を繰り返した。いくぶん声の音量を落としたが、震えは隠せなかった。
「この人誰ですか」
「知らない」
「いつから監禁してるんですか」
 答えない。
「どうして監禁してるんですか」
「いろいろ事情があって……」
 それを聞き、ケネスはなんだかいろいろどうでもよくなって笑いだした。笑いながら廊下に設置された電話に手を伸ばし、
「通報通報つつつつ通報通報つつつつ通つつ通報通ほほ通報通ほっほぅ!」
「待って」
 受話器に触れる前に、ヤシロが左手でケネスの手首を掴んだ。そして右手で電話台のひきだしを開け、
「ケネス君、ここに拳銃がある」
 ケネスは震え上がった。
「殺すおつもりですか!」
「殺さない殺さない」
 コードや工具類が拳銃と一緒に無秩序に散乱するひきだしと、監禁された若い女とを、ヤシロは交互に見た。
「この拳銃は彼女のだよ。むしろ彼女が僕を殺すつもりで押し掛けてきたんだ」
「いつですか?」
「今朝」
 ケネスはヤシロの手を無造作に振り払うと、格子戸の前まで行った。中の女は、鋭い視線をヤシロからケネスへと移した。気まずい。
「……ってあの人言ってますが、本当ですか?」
 女はペッと唾を吐いた。
「庭に立っていてね」と、ヤシロ。「どうしたのって尋ねたら、いきなり銃を突きつけてきた。驚くだろ?」
 ケネスはゆっくり振り向いた。
「よくご無事でしたね」
 ヤシロが、手首に巻いた革のバングルを見せつけてくる。顔を近付けて注視すると、鎧の紋様が刻印されていた。
「僕はたまに考えるんだけどね」
「はあ」
「描かれた記号を実体化する能力を持つ人々の間に、戦争はあっただろうか。あったとしたらよほど恐ろしいものだろうね。それこそ文明を滅ぼすほどの。あるいは破局への恐れが戦争の抑止力になったかもしれない」
 ケネスは迷ったのち、ヤシロに話を合わせることにした。
「旧世界の人類は、我々が知る限りでも相当高度な文化と文明を持っていました。その人々が自ら破局を引き起こすような戦争をするでしょうか?」
「例の〈災厄〉がそうであったかもしれない。彼らは記号で世界を知覚した。記号、とりわけ輪郭は、自他を明瞭明確に分かつものだ。彼らが『自分』と『他人』に、その利害に鈍感であったはずはない。知覚が精神の構造に与える影響力を知らないはずはないだろう」
 黙っているケネスの前でヤシロは続けた。
「どんな魔法のような技術でも、それを使うには身体性が不可欠となる。記号を実体化するにしても、視覚ないし触覚にまずは頼るわけだ。知覚した情報を処理し、それを外部化できるほどに進化した結果、むしろ身体性に固執するようになったとしてもなにも不思議じゃない。実際、旧世界においてはスポーツへの取り組みが盛んであった証拠の出土している。身体性への強い回帰があったと考えてもまず間違いないだろうし、そうである以上身体の健康・快適・快楽を追求すればいずれ争いが起きるのは当然……」
 ヤシロの声は、消えていきながら倉庫のほうへ向けられた。
「……と僕は思うけどね。君の意見はどうだい? メイリン・ルゥ」
 黙ったままのケネスに、ヤシロは今度はひきだしから一冊の旅券を出して見せた。
「彼女の所持品だ。名前はメイリン・ルゥ。発行国は燔国。使用言語はチグリスB群標準Ⅱ型。だから言葉が通じてないってこともない。学生。二十一歳」
「顔写真のところを見せてもらえますか?」
 貼り付けられた写真と、格子の向こうの女を見比べる。確かに同一人物だ。
「それで、その」
「なに」
「彼女がここに来た理由はなにか……」
「知らない。新手の押し掛け女房じゃないかな」
「違うと思いますが……」女は帆布越しの光を浴びている。体を拘束されてはいない。「……もし仮にそうだとしたら」
「無理無理無理。どんなに美人でも十三歳差は厳しいでしょう」
「気持ち悪っ」
 ようやく女が口を開いた。
 旅券が本物なら、彼女の名はメイリン。
 男二人はメイリンに注目した。今しゃべったのが彼女だという事実を消化する前に、メイリンが言葉を重ねた。
「気持ち悪い……黙れよ、人殺し。好き勝手言いやがって」
「人殺し?」ヤシロが眉を寄せた。「身に覚えがないね」
「あんたはコウキ・ヤシロ。旧世知覚研究所邂国支局基礎紋様技術解析部門主席技師。姉を殺した」
「なんのことだかわからない」
 鋭い動作で女が立ち上がった。
「待って。本当に覚えがないんだ。ちゃんと説明してくれ」
「ルゥの名字に覚えは?」
「珍しい名前じゃない。僕が知ってるだけで五人はいる」
「ファリン・ルゥはそのうちの一人か?」
 はじめてヤシロが動揺した。声を詰まらせる。息を止める音を、ケネスは隣で聞いた。横目で伺うと同時に、ヤシロが目を伏せた。言葉の追撃が続く。
「ファリン・ルゥ。あんたはこの名を知っている」
「君は――」
「ファリンの妹だ」
 ヤシロは目を上げ、メイリンの視線を受け止めると、ゆっくり首を振った。
「君のお姉さんの自死の知らせは受けている。痛ましく思ってるよ」
 その声に余裕はなく、自信もない。メイリンの軽蔑した声が続く。
「『知らせは受けている』?」
「僕はもう知覚研の職員じゃないんだ。君のお姉さんが亡くなる十か月前に『覚醒』して辞めている。君は知っていたかい?」
 知らなかったであろうことは、丸く開かれた目を覗きこめばわかる。
「……でも、あんたがお姉ちゃんを実験動物にしたことには変わりないだろ!」
「実験動物」オウム返しに呟き、間を置いた。「……そうならないように心を砕いたつもりだった。社会に復帰できるように手を尽くそうとしたんだ」
「あんたは何をしたの?」
「彼女が……覚醒者が……一般社会で生きていくには、まずなにより力の制御ができなければならない。意志に関わりなく無秩序に色や形からエネルギーを取り出し、放出するようでは、覚醒者などただの暴走した兵器だ。力の制御法を知るために、まず認知の仕組みを知る必要があった。僕は覚醒者のための認知テストの草案を作った」
「それで?」
「そこまでだ。それ以上は僕があそこにいられなかった」
 天窓の上で、雲の塊が流れた。立ち尽くすメイリンを影で包み、再度光で照らした。
「その仕事は誰が引き継いだの?」
 ヤシロは何かを考え込んで黙ったが、すぐにきっぱりと顔を上げた。
「調べてもらおう」
「なにをですか?」思わず尋ねたのはケネス。
「あの仕事を誰が引き継いだか。ツジムラさんに調べてもらう」
「待ってください」
 と、体ごとヤシロと向き合った。
「その手のご質問にはツジムラは回答できかねます。あの人がというより、知覚研の職員の誰も」
「こういう事情だよ?」
「ヤシロさん」
 メイリンはまたヤシロを狙うかもしれない。納得させないことには。
 辺りを憚る必要もないのに、ケネスは罪悪感から声を落とした。
「あの件についてですが、私が知っています。あなたの仕事を引き継いだ者は解析部門に一人もいません。試験の草案は、提携先のとある医療系の研究団体に引き渡されました」
「ファリン・ルゥはどうなったの?」
「その団体の施設に身柄を移されました。死亡したのもその移送先です」
「……今さら僕に口出しできることなんてないだろうね」
 答えるまでもなかった。ヤシロが自嘲を込めてため息をつく。
「そうさ。そういうこと。これが高すぎる退職金の正体ってわけだ」
「待ってよ。あんた、どうすることもできなかったの?」
「あのときは」唾をのむ。「……精神的に……ボロボロだったんだ……なにかできるとか、そういう……」
 肩を竦める。
「軽蔑してくれ」
 その一言は、むしろ自分に向けて言われたかのように、ケネスは感じた。その言葉が突き刺さり、痛みとともに、苛立ちと反感が生じた。ケネスはそれを感じないようにした。
 いろいろ思うことがあっても、ケネスはヤシロを尊敬していたのだ。
 メイリンは顔をこわばらせて突っ立っていた。歩み寄ることも、また座ることもできないのだ。
「君のことはなんて呼べばいいかな?」
 メイリンを見ずに放たれた声は、いつも通りに振る舞おうという意志に満ちていた。
「……なんとでも呼べば」
「じゃあ、メイリン。僕がここにいることを君に教えた人は誰だ?」
「さあ?」
「教えてくれ。君のためにも重要な質問なんだ。その誰かは君に嘘を教えて僕を殺そうとした。なんのためだと思う? 君がこのまま帰ったら、その人は君をどうすると思う?」
 利用された娘。メイリンは口をつぐむ。答えはわかっているはずだ。ヤシロもケネスも、彼女の口が開かれるのをじっと待った。
「オヤコ」
 と、観念して呟いた。
「え?」
「オヤコ。そう呼べと言われた。父親と、娘」
「その人……その人たちが、君に僕の居場所を教えたの?」
 頷く。
「そいつらが銃をくれた」
「どういう人たちなの?」
「父親は中年。娘は幼い。本当の父娘ではないみたい。人を覚醒させる手段を知っている」
 無表情だが、いつになく真剣みが滲むヤシロの顔に、二人の視線が集中した。
 ケネスが尋ねた。
「覚醒者でしょうか?」
「どうだろう。行方不明になってるうちの一人か二人か……。覚醒者同士で結託してるのかもしれない」
「結託って。でもヤシロさんはご存じないのでしょう。場所をわかっていながら声をかけないなんて。覚醒者は貴重なのに……」
「知覚研に囲い込まれているような厄介なのを仲間にしたいと思うかな。裏で結託した覚醒者の反社会組織があるとしても、イデオロギー次第では、僕は裏切り者と見做されている可能性だってある」
「もし……」慎重な口振りとなった。「……仲間に誘われたら、どうします?」
「誘いに乗る気はないね。ろくなことをするつもりがないのはわかるだろ?」
「彼らはなにがしたいんでしょう」
「人類の能力覚醒はこのまま拡大していくと僕は思ってる。旧世界の人間が施した忘却の手法は、恐らく効果が切れつつある。だから、未来の支配階層になりたいんじゃないかな。覚醒者が圧倒的マイノリティであるうちに地盤固めをしたいんだ。自分たちがマジョリティになったときにも、そこに埋もれてしまわないために」
「だったら、今のうちから現時点の圧倒的マジョリティである非覚醒者に対して、抵抗したという実績を作らなければならないはずです。抵抗するからには、差別か弾圧か、そういうことがあったっていう事実がないことには」
「『事実』なら、さっき彼女の口から出ただろう。ファリン・ルゥの自死は実験動物的な扱いに耐えかねてのものだということになっている」
「ですが、それは」
「重要なのは一人の覚醒者が死を選んだということだ。覚醒者の社会的地位の向上を標榜し、『弾圧への抵抗』という実績を作るのに、これほど適した材料はない」
 ふと、ヤシロが淡く微笑んだ。
「覚醒者になるとね、まず仕事になんて行けないんだ。隠していない限り、今の社会のどこにも居場所はない。色と形を持つあらゆる物からエネルギーを取り出せる。そんなのが同じ室内にいたら、君も恐くて働けないだろう?」
「そんな――」
 ケネスは目を逸らしそうになったが、堪えて視線を受け止めた。ヤシロはケネスよりずっと背が低かった。
 目を逸らしたのはヤシロのほうだった。
「いずれ彼らにも自らの存在を明らしめるときが来る。ねえ、メイリン。君が知っているのは、その『父娘』っていう二人連れだけなの?」
 メイリンは頷いた。
「だろうね。だとしたら、君が裏切ったりしくじったりしても、受ける打撃は少ないだろうから。僕を殺した後は次どこで会うつもりだったの?」
「その前に聞かせてほしいんだけど」
「なに?」
「あんたは覚醒者としての能力を、なにに使いたいの」
「封印させる」即答だった。「そのために使う」
「なら、あんたは奴らに殺される」
「仕方ないことだよ」
 もはや怒りをぶつけることもできず、メイリンはヤシロの前でただ途方に暮れている。彼女は椅子に座った。悄然として見えた。
「……夕方、教化会館で落ち合うと約束した。第二集積帯と第三集積帯の間、ロゴス教徒の洗脳に使われてた古い施設がある」
「ああ、知ってるよ。戦跡指定の話が出てたけど、お流れになった物件だね。ケネス君も知ってるよね」
「はい。ですがかなり不便な立地なはずです」
「そうでもないないよ。岩塩道路がある。冬の間は閉鎖されるけど、もう雪は融けたはずだ。ケネス君。車を一台手配してほしい。君運転できるよね」
「行くおつもりですか」
 珍しく、ヤシロがじっと視線を合わせてケネスの目を覗き込んだ。それが答えらしい。





 <<前へ「第2話 覚醒プログラム(1/4)」
 >>次へ「第2話 覚醒プログラム(3/4)」
 目次へ


 | ホーム | 

プロフィール

とよね

Author:とよね
ファンタジーやSFをメインに小説を書いてます。下のカテゴリ欄から読めるよ!
★印つきは連載中。

冷凍オシドリ累計

ブロとも申請フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。