京都から取り寄せたやつ。
おいしかった。
おいしかったので猫の如水ちゃんが接客する如水カフェでも
取り扱うことにした。
いらっしゃいませー。
「エ゛ッエ゛ッエ゛ッ!(いらっしゃいませ)」
いやーめっきり寒くなりましたねー
本日から当店では香煎をご用意させていただいておりますがね、
えっ、あっ、さっそくご注文いただけますか? ありがとうございますぅ~。
如水ちゃん、お客様に紫蘇香煎お出しして。
「エ゛ッエ゛ッ……(わかんない)」
紫蘇香煎だよ、如水ちゃん、昨日届いたやつ。
「……エ゛ッエ゛ッ(おしぼりの事かなぁ)」
おしぼり持ってきたらイカンよ。香煎だからね、香煎。
「……エ゛ッエ゛ッ……(おひやの事かなぁ)」
おしぼりでもお冷でもないからね。
香煎だよ。こ、う、せ、ん。しそこうせん。分かる?
「エ゛ッエ゛ッエ゛ッ……(しそ光線……)」
そう、紫蘇香煎。
「エ゛ッエ゛ッエ゛ッ(……しそ光線……)」
暫くすると二足歩行するキジトラ白のオス猫如水ちゃんが
両手(前脚)で湯呑を乗せたお盆を持ってくる。
「エ゛ッエ゛ッエ゛ッ(おまたせしました)」
そして湯呑をテーブルに置く。
「エ゛ッエ゛ッエ゛ッ(おきゃくさましそビーム)」
なんの疑いもなく湯呑を口にしたお客さんの体が見る間に紫色に変色し口から
「しそビーーーーーーーームッ!!!」
しそビームを浴びた人間はたちまち紫蘇人間と化し、
紫蘇人間が跋扈する未来の社会では、
緑色タイプの紫蘇人間と紫色タイプの紫蘇人間、そして紫蘇人間化を拒む旧人類が、
三つ巴のあくなき戦いを開始する。
後世の人々から「黄昏の時代」と呼ばれる暗黒時代の始まりである。
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