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冷凍されたオシドリとチューリップ人の王国

趣味で書いている小説用のブログです。

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初めて救急車に乗った。

昨日の事だった。
点滴を受けながら半覚醒状態でうつらうつらしていると、ベッドを囲うカーテンをシャッと開けてキジトラ白の如水ちゃんが二足歩行で入ってきた。
あら嬉しい如水ちゃん、かわいいね愛しいね、お見舞いに来てくれたのねと思い手を伸ばすが届かない。如水は真面目な顔をして、
「あのねえ、僕ねえ、ねぇちゃんにねえ、隠してる事があってねえ」
と喋り出す。あら隠してる事? いったい何? 頭の中で問いかけると、如水は両手で自分の白い腹をビリビリ開き、
「あのねえ、僕ねえ、マトリョーシカなの」
と言う。すると如水ちゃんの腹から小さい如水ちゃんが出てきて
「あのねえ、僕ねえ、こ如水なの」
そのこ如水も二本足で立って腹を開くとさらに小さい如水ちゃんが出てきて
「あのねえ、僕ねえ、ここ如水」
としゃべる。
大中小の三匹の猫はベッドの周りで踊りはじめた。
「♪如水 こ如水 ここ如水 三匹揃うと 踊りだす」
私はベッドから起きられないまま手を伸ばし、如水如水や、マトリョーシカでも何でもいいから撫でさせてちょうだいと言うけれど、踊る三匹はついぞベッドに乗ってこない。
そんな夢を見た。


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高層マンション怖い(´・ω・`)

頭の病気の事を押し隠して正社員職への転職に成功したのだが、一人暮らし用のマンションをネットで探したせいで、ネットを見ているとやたらマンションの広告が目につくようになった。
特に高層マンション。
何故だ。
何故日本は津波台風地震竜巻が来る来ると言われていながら高層マンションを建てるのか。

大体高層マンションの高層階に住むなど恐ろしくてできない。
53階建てのマンションの53階に住もうものなら、部屋から地上に下りるだけで何分かかるのか。
私なら億劫になって仕事にも出かけられずヒキコモリ→重度鬱になる。それで窓から「ああ、地上は遠いなあ」と土に恋焦がれて日々を過ごすうち、ある日耐え切れず
「ギヒイイイイイイイイイイイイイイィエエエエエエェエェエエエエェエェ!!!!! イヒッ!!! イヒッ!!!! ギエエエェエェヘエェエェエエ!!!!!!!!」
と絶叫し髪を振り乱しながら窓ガラスにタックル、無数のガラス片と共に地上への死のフライトをしてしまいかねない。

なら低層階に住めと言う向きもあろうがそれはますます我慢できない。
考えてみるがいい。自分の頭の上に何百という数の人間が積もっているのだぞ。さらにそれらの人間が使う家具や雑貨が積もっており、鉄筋やコンクリートや床板や天井板が積もっているのだぞ。その上をギシギシギシギシ、ギシギシギシギシと人々が音を立てて歩いており、子供が飛び跳ね、男がバイク部品の手入れをし、女が服を脱いで新発売のランジェリーの試着をし、相撲取りが四股を踏んでいるのだぞ。
ある日相撲取りが四股を踏んだ衝撃で最上階の床が崩落、そのまま一個下の階の女と、そのまた一個下の階の男と、更にまた一個下の階の子供と、それと同じような男と女と子供と大人が、彼らの使っているバイク部品と新発売のランジェリーとトランポリンと家具と各種配線配管と天井板と床板と石膏とコンクリートが徐々に重量を増しながら一番下の階に落ちてきて、低層階に住む私などは「遺体」と呼べるほどの欠片も残さず砕け散るに違いない。と考えると恐ろしくてならない。

では間をとって中層階に住めという発想など愚の骨頂である。
自分の足の裏の下に何百という人間が蟻のようにワラワラワラワラ蠢いており、頭上にはそれと同じ数の人間がギシギシギシギシ賑わしくしており、その存在感に耐え切れなくなった私は
「ゲヒャアアアアアアァアァアアアァ!!!!!!!!!!!!!!!」
長い髪を振り乱しながら連日連夜何もない床をダンダン飛び跳ねて下の階の人を威嚇し、同時にクイックルワイパーに包丁を取り付けた簡易の槍で天井を突き上階の人間を心胆寒からしめる。
ある日簡易の槍で天井を突きながら飛び跳ねるだけでは我慢ならなくなった私は自宅で爆弾を製造、最上階から一個上の階まで順に設置し、一秒おきに上から順に爆発するようにする。
そして定刻が来たら一秒ごとに最上階からの爆発音が聞こえてくると、歓喜に打ち震えながら、私は簡易の槍で床を突き刺しつつ床をダンダンと勢いよくジャンプする。
そうして床が崩落し、槍を握りしめたままの私は、為す術なく凍りついている下の階の住人と笑顔でコンニチハをする。こうして奴は私の足の裏の下に住むことを決めた自分の愚かさを思い知るのだ。


宝集めが好きな猫 その3。

朝、如水が猫じゃらし(宝物)をくわえて居間をウロウロウロウロ歩いていたので、炬燵布団を持ち上げて
「如水や、ここに隠しや」
と言ったら、如水は猫じゃらしを落とし、苛立った目で私を見て
「ミエエエエエエエ!!!」
と鳴いた。
『三重』と言っているのではない。
『見栄』でもない。
『ねえちゃんが見てるところで隠したら隠したことにならないいいいい!』
と言っているのだ。
「あーはいはい」
と居間を一旦出てしばらくして戻ってくると、何食わぬ顔でチョンと座っている。
如水が居間を出た後に炬燵の中を見てみると、猫じゃらしはちゃんとそこに隠されていた。
かわいい(´*・ω・*`)


チョコレートを食べ尽くした。

私の数少ない友人の一人であるK女史からバレンタインのチョコレートを頂いた。美味しかった。自分で買って食べるのもいいが、人から頂いたものにはまた違った美味しさがある。ありがとうK女史。
チョコレートをもらえたのが嬉しくて私はたちまち食べ尽くしてしまった。
そしたら何が起きたと思う? 何と、チョコレートが無くなってしまったのだ。
チョコレートを食べ尽くしたらチョコレートが無くなるのは当然だとする向きもあるだろうが、ちょっと待ってほしい。
私はチョコレートが眼前にある状態から、このチョコレートを食べ尽くそうと決めたのだ。
その時点でチョコレートの運命は既に決定されたものであり、即ちチョコレートは食べ尽くされる前からして既に食べ尽くされているも同然の状態にあったと言える。
そして、私がチョコレートを食べ尽くすまいと思っていたら、チョコレートが無くなることはなかった。
チョコレートを食べ尽くしたのが先か。
チョコレートが無くなったのが先か。
謎は尽きない。


粗大ごみ出した。

かれこれ9年くらい前に購入した某社のプリンターだが、インクカートリッジが高いわ、取扱いのある店が少ないわ、印刷面が掠れる症状が出始めるわで、3年ほど前に買い替えて以来、私の部屋のカラーボックスをまるまる一段占領する形で放置されていた。
二度と使われることもなく、カラーボックスの真ん中の段に鎮座するプリンター。
そいつが邪魔なせいで購入した本が堆(うずたか)く床に積まれていく。
私はとうとうそのプリンターを粗大ゴミに出すことにした。
まずはインターネットで市に粗大ごみの回収を申し込む。
次にコンビニやスーパーで粗大ごみ回収シールを購入する。
最後に所定の置き場に置いておけば完了だ。
私の部屋は片付いた。
カラーボックスには床に積まれていた本が収まっている。
なんと清々しい気分だろう!
邪魔なプリンターがなくなった!
18歳の雪の日に買いに行ったプリンター。
お金がないから一番安いのを買おうという理由で選んだプリンター。
帰り道、雪で電車が遅延して、駅で重たい思いをしながらも、傘で濡れないよう庇うように抱いていたプリンター。
自分が書いた小説を初めて家で印刷して、書いたものが紙になる感動を教えてくれたプリンター。
それをゴミとして処分した。
あのプリンターはもうどこにもない。
もう本当にどこにもなくなってしまったんだ。゜゜(´□`。)°゜。ワーン!!!


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プロフィール

とよね

Author:とよね
ファンタジーやSFをメインに小説を書いてます。下のカテゴリ欄から読めるよ!
★印つきは連載中。

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