前にも書いたかもしれませんが、私は推敲作業というものが嫌で嫌でしょうがない人間なので、小説もその他のブログ記事も書いたらそのまま載せているのですが、読み返してみると結構おかしなところがあって、「やっぱり推敲はしなきゃ駄目だなあ」と認識を改めています。
単純な誤字脱字はもちろん、不必要な点についての描写にやたらとこだわっていたり、時系列がちょっと変だったり。
あと私は、Magic flareの推敲をしていて気付いたのですが、どうも主語と修飾語を省略しすぎるきらいがあるようです。
「誰々は○○に××した」という文章が続くとなんだか全体の印象が子供っぽくなるのは確かですが、主語と修飾語が必要な場面で抜けていると、話の輪郭がぼやけ、主に会話文がわけわからなくなるようです。特に第7話、初対面の明日宮クグチと伊藤ケイタが喫茶店で会話するシーンで、それが顕著に表れていました。
そうした欠点を自覚できたら、意識して直していって、できれば一発で完成稿が書ける人間になれたらいいなあと思います。難しいですが。
案外、あと14年頑張れば、不惑(40歳)を迎える年にそれくらいの境地に立てるかもしれません。
以下は私のうぬぼれかも知れませんが、でもまあ、読み返してみたら「悪いとこばかりでもないな」と思える点もありました。
第2話後半の飛行機に乗っているシーンや、第6話で根津あさがおが際限なく続く自宅の壁ぞいを墜落していくシーン、第7話で戦争の記録を収めた写真を延々見せられるシーン、などはいかにも私好みの文章だったりします(←自分で書いたんだから当たり前だ)。
実を言うと、Magic flareを書いている最中、「これはどうやっても前作(壊れた太陽の王国)を超える小説にはならない」「今年の自分が去年の自分を超えていないのは恥ずかしいことだ」という思いにとらわれて、最終話の直前ではそれが為に2か月くらいまったく書けなくなってしまった。
そして、国内外のハイレベルのプロが書いたどっしりと濃厚な文章の小説を読んで、「ああ、自分はダメだなあ」とますます思うようになり。
誰かや何かと比べても、ろくなことにはなりませんね。
「小説で飯食ってるわけじゃないんだから、自分のペースで、ゆっくり、のんびり成長できたらそれでいいんだ」と思う時もあるのですが、やっぱり気が付けばせかせかと上達を急いだり、自分の能力以上のことを自分に(過度に)要求していたり。
そういうところが、書き手としても、人間としても、本当に未熟だなあと思います。
鬱症状がひどくなって休職する直前に書いた第8話は、今でも文章を読み返すのが怖いです。
あの時は仕事でメールを読んでも何が書かれているのかわからず、クレームの電話を受けても、「相手がしゃべっているその音(おん)は聞こえるが意味が理解できない」という状態で、それを浅い経験とカンと小知恵と演技とはったりで切り抜ける日々を何か月か送っていたのですが、今にして思えばよくまあそんな恐ろしいことができたなあとゾッとします。
そんな感じで、小説を書いても、自分が何を書いているのかわからず、また無気力で小説文を一文字書き始めるにも多大な労力を要する時期でした。
ゆっくりやっていこうと思います。
ゆっくり。
ちなみに推敲作業の1回目は第7話まで終わり、ブログで公開している分も差し替えました。
とりあえず2回はやろうと思います。推敲。
スポンサーサイト
FC2サイトが重くてつながりにくいことがあるので、「
小説家になろう」さんというサイトにユーザー登録してみました。
取りあえず、昨年書いた「壊れた太陽の王国」を投稿してみました。
「Magic flare」や各短編も、推敲し次第投稿していこうと思います(普通の人は公開する前に推敲しているとゲフンゲフン)。
小説のデータが残る場所が増えると少し安心します。これでUSBを紛失してPCがぶっ壊れてFC2ブログのデータが全部ぶっ飛んでも大丈夫!!!(強迫観念)
「小説家になろう」さんに先にユーザー登録されていたブロともの皆さま、あちらでもどうぞよろしくお願いします。
デンドリティッククォーツのことである。
しのぶ石とは泥が固まってできた岩石の隙間に酸化マンガンが染みこんで樹枝状の模様になった石であり、大層美しい。
それと同じことが水晶の中で起きてできたのがデンドリティッククオーツなのだが、やはり非常に美しい。
木の物語を閉じこめた水晶である。
木の物語聞きたい(´・ω・`) 。
木の物語聞きたい(´;ω;`)。
木の物語聞きたい。゜゜(´□`。)°゜。
木の物語を聞きたいが、木の物語が聞こえそうなほど品質のいい品物は、やはりそれなりに値が張るので、予算的に厳しい。
世の中には『引き寄せの法則』という本があるそうで、読んだことはないのだが、何でも「望んだものが努力しなくても向こうから来て手に入るようになる法」が書かれているらしい。
それが本当なら非常に便利なので是非とも習得したいのだが、引き寄せられたしのぶ石になっている水晶がすごい勢いでこの夜を飛んできて私の部屋の窓をぶち破ってそのまま勢いで私の額に穴を開けてしまわないかが心配だ。欲しいものは欲しいがそれによって死ぬのは少し困る。
あるいは私がしのぶ石になっている水晶になればしのぶ石になっている水晶を買う必要はなくなる。
私が死んで骨になり、化石化すると同時に水晶が形成され、さらに酸化マンガンがしみこんで樹枝状の模様が描かれたら美しいだろうと思うが、些か時間がかかり過ぎる。今欲しい。
しのぶ石になっている水晶を今すぐ手に入れることができないので、私はいじけてイカルという鳥になって「ヒコヒコヒィー」と鳴くことにした。
部屋の片隅で膝を抱えて
「木・木・木 木の物語 ヒコヒコヒィー ヒコヒコヒィー」
と鳴いていると、我が伴侶のラピスラズリが彼の世界から私を見つめて
「そなたには俺がいるではないか。それとも俺では不足であろうか?」
と聞くので
「だってあなたは木の物語を持っていない」
と答えると、彼は泣きそうな顔になって、無言で彼の好きな水晶の世界にスッと入っていってしまった。その水晶からいつまでも悲しげな気が滲み出てくるので、私は浅ましい物欲からひどい事を言ってしまった、伴侶を傷つけてしまった、水晶の中に指を差し入れて
「るりるりるり、るりるり」
と呼びながら探すが彼は意固地になって姿を見せず、指先が何かに触れたと思ったらとんでもなくデカいシダ植物が現れて屋根を突き破ってニョキニョキ育ち、
「木ビーム!!!!!」
こうして木ビームを浴びた世界人類はみんな木になったが、私はその時イカルになっていたので難を逃れたのである。